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【受贈御礼】頂いたもの・今年書いたもの

庭

今年もあと一週間を切りました。

この数日で頂いたものを紹介…。
いずれも実証的で堅実な研究成果です。ありがとうございました。では頂いた順に。

丸島和洋氏から、
『武田氏研究』50(2014年)
玉稿「戦国大名武田氏の佐久郡支配―内山城代小山田虎満・昌成を中心に―」(『信濃』66-12、2014年)
 〃「戦国大名武田氏の西上野支配と箕輪城代―内藤昌月宛「在城定書」の検討を中心に―」(『地方史研究』369、2014年)
 〃「武田氏から見た今川氏の外交」(『静岡県地域史研究』5、2015年)
 〃「武田家臣「三郎殿」考」(『年報三田中世史研究』21、2014年)
 〃「北条・徳川間外交の意思伝達構造」(『国文学研究資料館紀要 アーカイブズ研究篇』11、2015年)


萩原大輔氏から、
玉稿「前田利長隠居政治の構造と展開」(『富山史壇』178、2015年)

丸島さんの精力的な活動には頭が下がります。東国の戦国史についてはまったくもって疎いのですが、豊臣政権期につながる取次論や、史料批判の方法など、自分の興味に引きつけて拝読しました。
また、註釈を眺めるだけでも、いかに東国を舞台にした議論が盛んであるかがよくわかります。
前回の記事に書いた通り、つい先日金沢の研究会で、ざっくりとした研究史整理をしたのですが、西国……さらにそのなかの岡山県地域との違いは(それが良い悪いではなく)歴然としているように思います。
加えて、戦国遺文の刊行状況や『武田氏研究』等での増補(補遺)に鑑みれば、研究環境にも大きな開きがあることは間違いありません。

萩原さんのお仕事は、先週北陸地域の新聞には記事が出たように、
恐らくもっとも年代が古いであろう前田利常(利光)発給文書(の写し)の提示など、
有益な史料紹介も含めた丹念なものです。
仕事柄この時期(慶長年間)の前田家権力については、私もいろいろ考えなくてはいけないので、先行研究での到達点や、利長・利常の動向といった基礎・基本的な情報を色々と知ることができました。
なお、萩原さんの結論は、慶長10年以後16年までの前田家権力は、家督は利常にあるが、実権は隠居の利長にあった、というもので、現時点では私も妥当な結論のように感じました。

※12/29追記
馬部隆弘さんから玉稿「大名領国における公的城郭の形成と展開―「城督」を手がかりに―」(斎藤慎一編『城館と中世史料―機能論の探求―』高志書院、2015年)をいただきました。
上記のお仕事と同様、実証の手順、研究史の踏まえ方や、史料への目配りなどにつき色々と勉強になります。
なお、「城督」は戦国期大内・大友・毛利領国に限定される用語だそうです。

****

と、こんな具合に、来年も勉強を続けていきたいと思います。
2月はじめには金沢で講演の予定(テーマはいつもの通りです)ですので、とりあえずはその準備です。

なお、私が今年一年で書いたものは以下の通りです。相変わらずのテーマ設定です。

拙著『宇喜多秀家と明石掃部』岩田書院、2015年5月 
 ……タイトル通りの内容。宇喜多氏の石高に関する通説の見直し(57万石は誤り)など
大石泰史編『全国国衆ガイド 戦国の"地元の殿様"たち』星海社新書、2015年8月
 ※「備前国」(明石氏・松田氏・浦上氏・宇喜多氏・穝所氏・伊賀氏)、
  「備中国」(三村氏・庄氏・石川氏・清水氏)の項を執筆
 
……宇喜多氏や浦上氏について、なるだけ最新の研究を盛り込んだうえで
   一般向けにわかりやすく…という、なかなか難しいお仕事でした。
   たとえば、宇喜多氏について、島村貫阿弥(観阿弥)や中山信正には敢えて触れておりません(※補足)
   なので、誰が言い出したのかわからない直家の綽名(梟雄?)等も当然出てきません。
拙稿「関ヶ原戦後の宇喜多秀家」『宇喜多家史談会会報』第55号、2015年7月
 ……拙著『宇喜多秀家と明石掃部』所収「宇喜多秀家の処分をめぐって」などを平易に書き直したもの。
拙稿「金沢の樹正院屋敷地について」『宇喜多家史談会会報』第56号、2015年10月
 ……金沢での樹正院豪姫の屋敷地の通説は「西丁(西町)」(金沢市)ですが、はっきりこれを否定します。
拙著『論文集 宇喜多秀家の周辺』同刊行会、2015年12月
 ……樹正院豪姫や宇喜多秀隆(秀家嫡男)について、加賀藩関係の新出史料から考えます

※補足
 直家による島村貫阿弥への「仇討」や、「岳父」中山信正の殺害伝承は、
 それ自体、創作である可能性が濃厚であるか、確定できる事実が僅少に過ぎるため。
 限られた紙数(分量)の中で(近年の研究成果等を削ってまで)敢えてこうした「伝説」の類を
 取り上げる必要は個人的には見出せなかったため。

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戦国・織豊期を中心に、あれこれ考えています。
単著『論文集宇喜多秀家の周辺』(同刊行会)・『宇喜多秀家と明石掃部』・『「大老」宇喜多秀家とその家臣団』・『豊臣期の宇喜多氏と宇喜多秀家』(以上、岩田書院)・『明石掃部の研究』(同刊行会)、編著『備前宇喜多氏』(「論集戦国大名と国衆⑪」岩田書院)など。

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