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宇喜多秀家の評価~愚見を申し述べておきます~

標題の件、
いつも御世話になっている渡邊大門氏がご自身のブログのなかで
「これまでの研究」を踏まえて言及されています。
http://wdaimon.blog4.fc2.com/blog-entry-969.html

たとえば、朝鮮出兵の件について、下記のように述べておられます。

>第一次の方は、秀家が総大将です。かなり期待されていますね。
>これまでの研究では、秀家が多くの人のサポートを受け、後方に位置していたので、
>秀吉がその能力を疑問していたとの見解があります。
>私の場合は逆で、豊臣家の一員にふさわしい活躍をさせるための秀吉の配慮であると考えています。
>どうでしょうか?

どうでしょうか…とのことでもあり、
「これまでの研究」に拙稿(「宇喜多秀家論」『史敏』6,2009年)
が入っているのは明らか※でありますので、
批判?のやり玉に上がった以上、愚見を申し述べておきたいと思います。
なお、渡邊氏に他意のない旨はまず御断りしておきます。
あくまでも学問的にどうか、という点での意見です。

※「秀吉がその能力を疑問していたとの見解」については、
 上記拙稿およびその原型ともいうべき「宇喜多秀家の「名」と「実」」
 (『宇喜多家史談会会報』24,2007年)において指摘していますが、
 管見の限り、筆者以外に同様の見解を示された方を存じ上げません。
 もしご存知の方がいらっしゃれば、ご教示いただければ幸いです。

結論からいえば、
A「秀吉がその能力を疑問していたとの見解」
と、
渡邊氏「の場合は逆で」という、
B「豊臣家の一員にふさわしい活躍をさせるための秀吉の配慮」
とは、必ずしも背馳しないものだと考えています。


つまり、A・B双方ともが想定されるということです。
秀吉は、秀家を期待しつつも、
その能力については(若年である点などを根拠に)疑問視していた、ということであります。


おいしいところどり、というか、どっちつかずの見解かも知れません。
けれども、この問題だけでなく、白・黒はっきりできない事柄は
実際問題ごろごろしてると思います。

ともあれ、
上記拙稿「宇喜多秀家論」では、
Bの点を繰り返し指摘しつつ(14頁上段3-4行目,15頁上段など)、
それと一見矛盾するようであるが、Aの点(18頁下段15行目~「第二章第一節」)
が想定されることを指摘した
わけであります。

詳しくは拙稿をご参照願うとして、
渡邊氏が、下記のような意図で
上記ブログのような指摘を行われたことはないとは思いますが…

筆者の見解をAに限定して、
大西氏はBの点を考慮に入れていないのは問題である、と
筆者を指弾されているのであれば、その批判が、拙稿の誤読に出ているという点を
ここで申し上げておきたいと思います。


また、渡邊氏が「私の場合は逆で」という箇所も、
申すまでもなく上記拙稿において指摘し、筆者も充分に考慮していることを
申し述べておきます。

なお、AとBとが「逆」かどうかは、議論がわかれるかもしれませんが、
いずれにせよ、(秀吉の)秀家の評価にA・Bの共存があった可能性は高いと考えます。

なお、繰り返しいいますが、渡邊氏に対して他意はないので、その点ご理解ください。
あくまでも、純粋に学問上の議論・反論が必要だと思ったので書いています。

といいますのも、じつは…

過去、筆者の論文・見解について、一部の記述のみを恣意的にあげつらって、
(つまり、ひどく偏った読み方・誤読をしたうえで)
見当違いの論難を加えられたことがありました。

私の論文の書き方が、稚拙(つまり、文章が下手)ということもあるのかもしれませんが、
あまりにも不本意な取り上げられ方であるので、
精緻(どのページのどの個所…といった具合で)かつ、学術的な反論はいずれ行いたいと思います。


…と、そういう事態を招かないように(と、これは遺憾なパターンですが)
同じ分野の研究者ですから、なかよく?建設的・生産的な意見交換や議論を行っていきたいので、
あえて、多少神経質・大人げないとは思いながらも、渡邊氏の見解(批判?)におこたえしたような次第です。

※付記1
 「豊臣家の一員」としての秀家の存在は、拙稿「宇喜多秀家論」のなかで
 深く掘り下げ論じています。
 ただし、この視点は、しらが康義氏「戦国豊臣期大名宇喜多氏の成立と崩壊」
(『岡山県史研究』6,1984年)など先行研究の提起に大きく負っています。
 「豊臣政権に深く取り込まれた存在としての宇喜多氏権力」についても、
 同様です。しらが氏の議論を、基本的に筆者は踏襲しています(批判した箇所もあります)。

※付記2
 拙稿「宇喜多秀家論」掲載の『史敏』第六号は、
 以下のサイトにて購入が可能です。
 http://www.geocities.jp/shibin_kankoukai/index.html

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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戦国・織豊期を中心に、あれこれ考えています。
単著『論集加賀藩前田家と八丈島宇喜多一類』(桂書房)、『宇喜多秀家』(戎光祥出版。シリーズ実像に迫る13)、『論文集宇喜多秀家の周辺』(同刊行会)・『宇喜多秀家と明石掃部』・『「大老」宇喜多秀家とその家臣団』・『豊臣期の宇喜多氏と宇喜多秀家』(以上、岩田書院)・『明石掃部の研究』(同刊行会)、編著『備前宇喜多氏』(「論集戦国大名と国衆⑪」岩田書院)、『前田利家・利長』(戎光祥出版)など。

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